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リターン<本編>
第弐話 見知らぬ、天井 Cパート


 ミサトはシンジ(の姿をしたレイ)を病院から引き取り、本部に向かう。

 途中エレベーターでゲンドウに出会ったが、シンジは臆した様子も無く同じエレベーターに乗り込んだため、ミサトは黙り込んでいる二人に挟まれて非常に居心地の悪い思いをしたのだった。

「―――一人で、ですか?」

「そうだ。彼の個室は、この先の第6ブロックになる。問題なかろう」

「・・・はい」

「それでいいの? シンジ君」

「はい」

 無表情に返事するシンジに、ミサトはある決心をした。

「―――だから、シンジ君はあたしのとこで引き取ることにしたから。司令の許可もとったし。・・・心配しなくても、子供に手を出したりしないわよ」

 話した直後にサッと受話器を耳から離すと、リツコの小言が響く。

「相変わらずジョークの通じないヤツ」

 ミサトは困った顔で受話器を見つめた。





「さて、今夜はぱーっとやらなきゃね」

 ミサトは車を運転しながら助手席のシンジを見て言った。シンジを迎えに行く時についた車の傷も、ネルフ持ちで修理できることになったのだ。

 そんなうきうき気分丸出しのミサトを、シンジが不思議そうに見上げている。ミサトはにっこり笑って言った。

「新たなる同居人の歓迎会をするのよ」

 車は地下トンネルを抜け、地上の市街地へと出た。





 ミサトはコンビニに寄って、レトルト食品を買い込む。

 シンジは黙ってその様子を見ていた。

「やはり、引っ越されますの?」

「ええ、まさか本当にここが戦場になるなんて思ってもみませんでしたから」

「ですよねぇ。うちも主人が子供とあたしだけでも、疎開しろって」

「いくら要塞都市っていっても、あてにできないし、ねぇ」

 女性たちの話しを聞いていたミサトは、そっとシンジを見る。シンジは俯いたままだった。

 再び車に乗り込んだミサトは、シンジに買い物袋を抱えさせた。

「ちょっち、寄り道するわよ」

 ミサトが寄り道したのは高台で、第3新東京市を一望できる場所だった。

「時間だわ」

 夕日が照らす中、地下に収納されていた高層ビルが戻っていく。二人は眼前に広がる高層ビル群を眺めている。

「これが使徒迎撃要塞都市、第3新東京市。私たちの街よ」

 ミサトはそう言うと、シンジに目線を移す。

「・・・そして、あなたが守った街」


 


後書き・・・という名の補足
 Dパートです。さて、シンジの姿をしたレイをどう表現するか。とりあえず、主人公格が思っている名前にすることにしました。(このパートはミサトね。)各パートの始めに説明します。(んなもので今回からはパートが多くなります・・・。)
00.1.30 Version 1.0


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