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[「聖戦とは」]

「聖戦とは」 (1)


聖戦大碑について報じたハンギョレ新聞
 小松―ソウル便の週3便化を祝う記念レセプションの席上。来賓の金守漢・韓日親善協会中央会長が「祝辞」の中で歴史教科書問題に触れた。「韓日関係の悪化は親善に携わる私たちにとって芳しくないこと。正しい記述のためにみなさんの活躍に期待したい」

 4月11日夜、ソウル市内のホテル。谷本正憲知事と県議22人が出席していた。「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書の検定合格から約1週間後のことだった。

 県側は当初、「教科書問題は触れられない」とみていた。しかし、開会30分前に入手した金会長の原稿には、厳しい表現で問題への憂慮が記されていた。「相互信頼を根底から覆す」「日本がアジア諸国の真の友人になる道を自ら閉ざすもの」……。

 内容を知った県日韓親善協会長の稲村建男県議は「政治目的のない集まり。問題に触れるのは好ましくない」と韓国側通訳に伝えた。原稿は直前になって金会長自らの手で修正が加えられた。

 出席した県議のうち19人は、教科書採択手続きの見直しを求めて昨年12月に発足した「教科書の適正化を求める石川議員の会」のメンバーでもあった。訪韓団の1人は指摘する。「この時期、この立場をもっと考えるべきではなかったか」

 訪韓の前日、金沢市の石川護国神社に昨夏建立された「大東亜聖戦大碑」に県が都市公園法に基づく設置許可を出していたことに、市民団体が抗議した。

 「碑文の表現を知りながら許可したのは問題」との指摘に、県は「碑の内容にまで踏み込んで判断したのではない」と繰り返した。市民団体はいう。「歴史教科書問題を凝縮した問題だ。歴史認識が問われている」
  
 知事らが訪韓したその朝、「『太平洋戦争は聖戦』日本、中心地に記念碑」との見出しで大碑を取り上げた記事が、韓国で約50万部を発行する全国紙ハンギョレ新聞の朝刊1面に掲載された。

 その隣には、教科書問題対応をめぐる中韓の合同協議を伝える記事と、ソウル市内の小学校で児童や父母ら3000人余りが参加したという「日本歴史教科書わい曲糾弾大会」の写真。

 呉泰奎・東京特派員は話す。「韓国人には、あの戦争を日本が自分たちのためにしてくれたものだとは思えない。だから『聖戦』は許せないのです」

 訪韓団帰国から9日後の22日、「つくる会」の西尾幹二会長の講演会が金沢市内で開かれた。協賛したのは「石川議員の会」。

 「韓国の学者には日本の教科書を検証する能力すらないのです」。会場を埋めた約450人の中には、訪韓した県議のうち4人の顔もあった。
  
 日韓の歴史認識の差を縮めようと90年夏、日韓の歴史、教育学者らが集い、両国の歴史教科書の内容を検討する研究会が発足した。中心になったのは、当時金沢大教授だった藤沢法暎・早大教授。ドイツとイスラエル、ポーランドの教科書共同研究についての藤沢教授の著書を読んだ韓国人歴史学者が、藤沢教授に手紙を書いたことがきっかけだった。2年半の間に、東京とソウルで2回ずつ研究会を持った。毎回、教員や学生、報道関係者ら100〜150人が参加した。

 討議では、韓国側から「植民地統治に割く分量が少なく、表現も不十分だ」などと厳しい批判が展開された。藤沢教授らは「日本全体が全く軍国主義に染まっていたわけではない。一部の良心的な日本人もいたことを理解してほしい」と主張した。

 「日本人の多くは加害者意識が乏しいのが実情だが、一方で、韓国側にも過度の反日感情など克服すべき点もあると感じた」と藤沢教授は振り返る。「ひざを交えてじっくり意見を交わすこと自体がそれまでなかった。一歩一歩対話を積み重ねることが、心の壁を取り除く方法なのです」

 あの戦争を「聖戦」と位置付ける碑が昨夏、金沢市に立った。そして今春、既存の歴史教科書を「自虐史観」に基づくものと批判する会が主導する教科書が検定を合格した。

 あの戦争の反省から誕生した日本国憲法が施行されて54年。いま、歴史認識が問われている。

(この連載は中山彰仁と駒井匠が担当します)


大東亜聖戦大碑 

 金沢市石引4丁目の石川護国神社の境内に昨年8月完成した。高さ約12メートル。「大東亜聖戦大碑」と銘打たれ、裏には「八紘為宇」、台座には大東亜戦争をたたえる和歌や寄付者の名前が刻まれている。

 金沢市内の会社社長らが「正しい歴史を後世に伝えるために」と96年末に建立委員会を結成。全国の戦友会などに募金を呼びかけ、1億円を超える建設費をまかなったという。
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