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[「聖戦とは」]

「聖戦とは」 (3)


 戦前日本の海外進出のスローガン「八紘一宇(はっこういちう)」の文字が刻まれた高さ37メートルの「平和の塔」が、宮崎市の県立平和台公園に立つ。塔の由来を記した説明文や観光案内板を巡って、設置した行政側に市民団体が抗議した。

 塔は「皇紀2600年」にちなんで1940年、当時の県知事の提唱で建てられた。「八紘之基柱(あめつちのもとはしら)」と命名されたが、戦後、進駐軍の命令で名称を変えた。礎石は中国など旧日本軍の支配地域から集められたという。

 が、「八紘一宇の文字が永遠の平和を祈念し…」(説明文)、「世界各地から贈られた石で築かれた」(案内板)などと記されていた。指摘を受けた市は97年、案内板の記述を削除した。県は昨年3月、説明文訂正の2度目の申し入れを拒んでいる。

 市民団体「『平和の塔』の史実を考える会」の児玉武夫事務局長(73)は「侵略を正当化する言葉を使っているのに、平和の塔というのはごまかしだ」と指摘する。

 塔の裏側の碑文には戦前、「ドイツ、イタリアと盟約し……八紘一宇の大理想を顕現せんとす」などとあった。進駐軍の命令で削除されたが、同会は復元を求めている。

 「いかに戦前日本が間違っていたかを残すことで、侵略戦争を反省する歴史教育の場にしたい」という。毎年8月15日には、塔の見学会を開いている。
  
 京都霊山(りょうぜん)護国神社(京都市東山区)の境内に整備された「昭和の杜(もり)」と呼ばれる区域に、高さ約2メートルの「大東亜戦争従軍記念碑」がある。護国神社が戦友会などから寄付金を集めて88年に建てた。

 木村幹彦宮司(66)は近くの壁にはめ込んだパネルに、「アジアの植民地解放の大理想を信じた宿命的戦い」と記した。

 「抗議の声は特になかった。行政から一切金はもらっていないし、戦争を賛美しているわけでもない」という。

 「戦争遺跡から平和を学ぶ京都の会」代表の池田一郎さん(71)は「歴史をゆがめるものだ。個人的には撤去してほしい」と憤る。学生や会員が参加する同会の催しでは、「反面教師の1つ」として紹介している。

 茨城県護国神社(水戸市)には、先の戦争を「聖戦」と碑文にうたった「大東亜戦争記念碑」がある。

 元同県副知事で「英霊をたたえる会」県本部長の軍司直次郎さん(90)らが86年、県内の戦友会、遺族会から寄付金を集めて建てた。高さは土台を含め約5メートル。軍司さんによると、抗議などを受けたことはないという。
  
 金沢市の石川護国神社に立つ「大東亜聖戦大碑」を巡り、完成から8カ月が過ぎた今年4月、「大東亜聖戦大碑の撤去を求め、戦争の美化を許さない県民の会」が活動を始めた。

 建立にあたって県が都市公園法に基づく設置許可を出していたことが判明したことがきっかけだった。メンバーの1人は「大碑は護国神社の私有地に立っている。残念だが、手出しのしようがないと思っていた」と語る。

 同会は当面、設置許可の取り消しを県に働きかけていく方針だ。「活動を通して歴史認識や戦争責任についての議論を広げていきたい」という。

 戦争犯罪の問題に詳しい吉見義明・中央大教授(日本現代史)は「護国神社は私的な存在でありながら一定の公共性を持った場所でもある。だからこそ、建てた側も護国神社を選んだはず」と指摘。「日本がアジアと共存していく上で、単に民間が建てたというだけでは済まない問題をはらむ」と話す。

 「冷戦が終わって慰安婦問題などが出てきたことで、遅ればせながら日本人が先の戦争に対する歴史認識を問われるようになった。県の設置許可問題を機会に、賛否双方が『聖戦』の意味をじっくり話し合うことも必要ではないか」
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