説教ノートより〜北陸学院高校チャペル説教「敵を愛する」〜
「ルカによる福音書」6章27節〜35節






・今月の北陸学院の礼拝のテーマは「他者と共に生きる」であると、お聞きしました。「他者と共に生きる」というのは、「敵をも愛する」愛の中でこそ、真に実践される生き方である、と思います。

・私たちは、自分のライバルや、喧嘩相手を自ら、愛したりすることができるでしょうか。また、自分にとって、不利益な相手を、あえて愛したりするでしょうか。そのようなことのできる人はあまりいないのではないか、と思います。なぜならばそれは、本当に、難しいことであるからです。

・近年お亡くなりになられた、三浦綾子さんという作家の作品で、「氷点」というものがあります。2001年には、「氷点2001」として、TVドラマ化され、全国ネットで放映されていました。小説ではもっとどろどろとした人間の姿を描いているのですが、ドラマでは本当に爽やかで、しかも影のある「家族の関係」が描かれていました。

・夏枝は、「陽子」という、自分の娘を殺した犯人の娘を、養女として育てることによって、「敵を愛する」という愛に挑戦します。私たちは、それぞれの日常と重ねて、このような人間の姿にどう反応し、感じるでしょうか。このテーマによって、本当に「愛する」ということの難しさを、考させられるのではないでしょうか?

・イエスさまは、悪口を言う者に祝福を祈り、侮辱する者のために祈ることを教えられました。自分がしてもらいたいと思うことを、人にもしてあげるように、とも言われました。私たちが相手の立場に立って物事を考えるなら、それが最も自然な愛の形であるからです。

・本当の意味での「他者と共に生きる」ということを、イエスさまは、十字架におかかりになられ、敵を愛し、罪を赦されるという仕方で、私たちにお示し下さったのです。「敵を愛する」ということが、愛の真の姿であるということを、私たちに表してくださったのです。





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