『神の国が近付いた』



<2003年5月11日 主日礼拝>
「ルカによる福音書」10章1節〜12節



  • ここで派遣の中心は病人を癒し、彼らに神の国を宣べ伝えるということです。ルカによる福音書においては、徹底して、貧しいもの、弱い者への救いということが強調されています。派遣された七十二人のなかから、それぞれの町に二人ずつ派遣されました。

  • 「神の国がちかづいた」という宣言は、宣教者が病人を癒された、という具体的な神の救いが見えるしるしとして示された、ということです。主イエスの病人の救いによって、神の国の到来が見えるかたちで実現するのです。

  • 今日、5月の第二日曜日は、教会暦では、母の日に定められています。特にキリスト教ではこの日に、日頃の感謝をお母さんに表す日とされています。母の日は、もともとキリスト教の教会行事に始まった日なのです。

  • そのはじまりは、アメリカのウエスト・バージニア州にあるウェブスター市のメソジスト教会で、26年間日曜学校の教師を務め、子ども達を育てた、M.ジャービス夫人の亡くなった日というのがきっかけです。M.ジャービス夫人は、ある日曜日、日曜学校の礼拝で聖書の十戒の第四戒「あなたの父母を敬いなさい」という箇所からお話をしました。

  • 「皆さんの中で、どなたかお母さんの偉大な愛に対して心から感謝を表す良い方法を考え出して下さいませんか?」と言ってお話を結び、間もなく、夫人は亡くなってしまいました。娘のアンナは、教会で行われた追悼会でたくさんのカーネーションを捧げてお母さんを偲んだそうです。

  • このことが参列者の感動を与え、やがて全米に広がって行ったのです。1914年アメリカ議会は、5月の第二日曜日を「母の日」と定め、国旗を掲げてお母さんに感謝の意を表すようになりました。

  • こんな小さな出来事から全世界で祝われるようになった今日、この母の日に、「この家に平和があるように」(「ルカによる福音書」10章5節)と言われ、七十二人を派遣された主イエスを思い起こします。

  • 我が身を痛みを伴って産んでくれた母を思うように私達ひとりひとりが十字架の主イエスの傷み苦しみを思い、大いなる愛を宣べ伝え、「神の国が近づいた」ということを宣べ伝えていくことができたら、と思います。








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