教会音楽と教会暦

〜讃美歌についてのミニコラム(2) 「礼拝改革としての讃美」〜






<新しい讃美歌>

■讃美歌には、私達が好きな曲を選び易い、愛唱歌としていつでも歌える曲がたくさん、つまっています。しかし、その讃美歌が突如、リニューアルされたら・・・・。覚え易い曲を、もう一度覚えなおさなくてはならなくなってしまうかも、そんな不安も生じてしまいがちです。

■しかし、讃美歌第2編と讃美歌21は、とても親しみ易く、また、有名な曲をアレンジしたものもありますから、讃美歌の1編にある曲がそのまま載せてある曲もいくつかあり、従来の讃美歌と比べても、心から安心して歌うことができます。

<今までの讃美歌>

■1872年に、最初の「讃美歌」なるものが、宣教師たちによって日本語に翻訳されていました。その後、日本で最初に讃美歌が刊行されたのは1903年です。しかし、ほどなくして讃美歌(1954年版)が教会の現実や使命にふさわしくないものも含んでいる、という自覚が、編纂する讃美歌委員会において深まりました。(具体的には、さまざまな差別語や、不快語が歌詞に含まれている、また主観的、情緒的、個人的である面が指摘されています)

<讃美歌21への希望>

■旧讃美歌の良さを保ちつつ、新しい讃美歌を改訂しようという希望のもとに、70年代に改訂と見直しに取り掛かりました。そのほかにも言葉の問題や、社会的な問題、信仰共同体というよりは、個人に根ざした讃美歌の在り方に対する批判や見直しがあったようです。

■1954年版の讃美歌は、当事の小・中学校の音楽教育に準ずることを重視していたそうです。しかし年月が経った今では、それも通用しなくなってきたのでしょうか。前述したようなさまざまな理由を踏まえて、改訂を余儀なくされたのです。

<新しい讃美と礼拝へ>

■こうして出来上がったのが今の讃美歌21、1997年刊行版、です。そのためのいくつかの視点が、讃美歌委員会によって、発表されています。(讃美歌21「まえがき」参照)。讃美歌について、讃美するということそのものに対して、真剣に取り込むということは、礼拝改革にもつながる、とても大きなことであり、素晴らしいことだと思います。

■礼拝とはつねに新しくされるものであり、また一方では伝統と慣習とを保たなければならない部分があり、本当に豊かな礼拝を守るということは困難なことです。私達の讃美する心が一つであることが何より素晴らしい礼拝改革だと思います。

参考資料:「讃美歌21」
讃美歌委員会編 日本基督教団出版局2001年発行




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