〜讃美歌についてのミニコラム(3) 「私の好きな讃美歌」〜
<『主われを愛す』 讃美歌461番、讃美歌21 484番> |
■「私の好きな讃美歌の逸話」 ・私の好きな数ある讃美歌のひとつに「主われを愛す」があります。昔私が幼い頃、今は亡き祖母より、この曲の英語版を、当時は「カタカナ」でわざわざ紙に書いて教えてもらった記憶があります。そのおかげで、今でも英語版は暗誦しているくらいです。 「『主われを愛す』ができるまで」 ■この曲の歌詞は、アナ・バートレット・ウォーナー(Anna Bartlet Warner,1820-1915)というニューヨーク近郊に生まれた小説家によって作られました。ペンネームを「エミー・ロスロップ」と名乗り、多数の作品を書いています。 ■中でもこの曲の詩は、同じ文筆家であった姉スーザンとの共著である「Say and Seal」(1859)という小説の挿入歌(詩)であったそうです。姉妹は、ウェストポイントのアメリカ陸軍士官学校の近くにあるバイブルクラスをなんと60年間も開き、生徒たちに聖書を教えていたのです。 ■その後曲は、有名なウィリアム・ブラッドペリー(William.B.Bradbury,1816-1868)によって「JESUS LOVES ME」というタイトルでつけられました。さまざまな過程を経て、次第に独立した讃美歌として唄われるまでになりました。 |
< 「日本にこの曲が普及するまで」> |
■日本におけるプロテスタント宣教の初期に、はやくも訳され、日本のクリスチャンにはとてもなじみ深い讃美歌です。1872年における在日宣教師会議のとき、この曲ともう一曲の日本語訳が宣教師ジェイムス・バラによって紹介され、一同で歌われたという記録があるそうです。 |
「『主われを愛す』歌詞の秘密」 ■「主われを愛す 主は強ければ」で始まる讃美歌、あまりにもなじみ深く、親しみ易い曲ですが実はこの讃美歌のサビの部分のフレーズに、オリジナル版では「聖書は言う イエス様は 愛されますこのわたしを。」([For The Bible tells me so])という歌詞があったそうですが1903年文語訳にする際に省略され「わが主イエス〜 わが主イエス わが主イエス われを愛す」でまとまってしまったようです。その後新しく讃美歌21にこの部分を挿入したものが作られました。 [Jesus loves me this I know for the Bible tells me so....] ■「主イエスはこの私を愛してくださる・・・というのはこの聖書が私にそう告げているから」抜け落ちてしまったこの部分の歌詞を改めて見てみるとバイブルクラスで教えていた、聖書に親しんでいた作詞者の信仰が伝わってきます。 ■とても歌い易いこの讃美歌を、祖母と楽しく唄ったことを思い出します。リズミカルな曲と優しい歌詞が、力と慰めを与えてくれる素晴らしい讃美歌です。 |