〜教会暦についてのミニコラム:母の日〜
<「母の日」> |
■「母の日」は今や日本の年中行事になりました。5月の第2日曜日には、カーネーションを贈ることが普通となり、花屋の店頭がにぎわいます。デパートも特別な売り出しをします。ところが、もともと母の日は、教会の行事だったのです。 |
■その精神は、さらに源をたどれば、旧約聖書の出エジプト記などに出てくるモーセの十戒の中の第5戒「あなたの父母を敬え」にもとづいています。 特に日本には大正初期に紹介されたそうです。カーネーションは、花言葉で「母の愛情」を意味します。母の日の最初の発端となったジャービス夫人と娘の出来事には、更に奥深いものがありました。夫人の教会学校でのあるエピソードです。 |
<歴史> |
■米国のW.バージニア州ウェブスターのメソジスト教会で母の愛に感謝する「母の日」の行事が設けられておよそ90年が経過しました。この教会にはM・ジャービスという、教会学校の教師として長い年月奉仕している婦人がおられました。ある日曜日、聖書の十戒の第4戒「あなたの父母を敬いなさい」からお話をして、「皆さんの中で、どなたかお母さんの偉大な愛に対して心から感謝を表わす方法を考えだして下さる人はいませんか。そういう人が出てくることを待っています」と結びました。 |
■ところが、間もなくジャービス夫人は亡くなり、教会で追悼会が行われることになりました。夫人の娘アンナは、お母さんから聞いた話を思い出し、たくさんのカーネーションを捧げてお母さんを偲んだというのです。このことが列席者に大きな感動を与え、やがて全米に広がるようになりました。そして1914年にアメリカ議会は5月の第二日曜を「母の日」と定め、国旗を掲げてお母さんに謝意を表わすこととなり、その後、全世界で母の日を祝う行事が行われるようになりました。 |
<教会と母の日> |
■イエス・キリストが十字架にかけられた日、それを見送る母マリアが流した涙の跡に、一輪のカーネーションが咲いたという説があるそうです。母を大切に想う気持ち、感謝の気持ちはなかなか伝えられないものですが、この日、「あなたの父と母を敬え」という聖書の御言葉を実践することのできるすばらしい日として心に留め、日々、母を大切にしたいものです。 |