説教ノートより〜『にんじん』 ジュール・ルナールのことば〜




  • 「にんじん」という有名な小説を書いたジュール・ルナールというフランスの作家がいます。赤毛でそばかすの少年は「にんじん」と呼ばれ、特異な家庭環境におかれた彼は、変わった子どもでした。

  • いじめられ、卑屈さのなかに生きる少年時代にあって、母親の無反応さに、とてもショックを受けます。

  • 子どもの不潔さ、残酷さ、うそつき根性などをリアルに描写しています。この「にんじん」という本は、母親に愛されなかった彼自身の少年時代を投影している作品であると思います。そのような本を書いたルナールの言葉でこう述べているものがあります。

    「毎朝、目を覚ますたびに、お前はこう云ってもいいだろう
    目が見える。耳が聞こえる。体が動く。気分も悪くない。
    有難い!人生は美しい」(ジュール・ルナール)

  • 私たちにもこのような朝があるでしょうか?朝、目を覚ますたびごとに、特別に神様に感謝することがあるでしょうか?いつでも、目が見えていることで、あるいは耳が聞こえていることで、当たり前のことを心から本当に感謝しているでしょうか?

  • 毎朝毎朝、目覚めるときのようなごく当たり前の日常の事柄を、感謝するように私たちも今日のこの日を感謝したいと思います。

  • 新しい命の目覚め、それがキリストの復活された、「イースター」であるからです。罪に覆われて死んでいた魂が、主イエスと共に復活し、新しく生きることが赦される「希望への目覚め」、です。

  • 私たちは、キリストの復活を通して、神様の大いなる愛を賜っています。神様が主イエスを十字架につけられ、死の中からよみがえらせて下さったその大きな愛を、私達も日常の目覚めのような時間のなかにおいてさえも感じながら、祈りつつ、新しい一年の歩みを始めたいと思います。


ジュール・ルナール『にんじん』 Poil de carotte

ジュール・ルナール「にんじん」 Poil de carotte






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