アドヴェント賛美礼拝説教『私達と共におられる救い主』



<2004年11月27日 「秋の特別伝道礼拝」>
「マタイによる福音書」2章18節〜32節



  • 私達の住む地上には、世界中で恐らくは一番、希望にあふれている、喜びに満たされている日があります。それはクリスマスです。悩みや苦しみ、嘆きや悲しみ、つらい事や絶えられないような状況にあっても、このクリスマスには、みなが光のもとで祝い、喜びの賛美を歌い、温かい心になるからです。

  • そのクリスマスに向けて、心の準備を整えて、待ち望む期間が、アドヴェントと言われます。アドヴェントとは、待降節と呼ばれます。このアドヴェントの時に私達は、クリスマスに備えて心を整え、そのときを待つのです。

  • 冬にクリスマスのある日本では、冬の寒さのなかにひととき、心の温もりを覚えます。そんな、クリスマスの喜びに向かって、教会では、共に神様の御前で救い主の誕生を賛美し、感謝することができるように、このアドヴェントの時にクリスマスへ向かう備えをするのです。

  • 世界で最も喜びに包まれ、華やかで、ロマンさえ感じることのできるこのクリスマス。実は本当のクリスマスが、聖書という書物の中に、2000年以上も前の事実として記され、描かれています。クリスマスとは、この世に救い主が誕生した日であるからです。

  • マリアという女性は、ヨセフという男性と結婚の約束を交わしていました。これから、結婚をしようというとき、二人はまだ結ばれていない時期なのに、マリアの胎には、聖霊によって、神の子が宿ったのです。聖霊というのは、神の霊です。神様が、マリアの胎に子を宿らせてくださったのです。

  • ヨセフはその事実を知り、縁を切ろうとさえしました。マリアがほかの男性と関係を持ったと思ったからです。しかし、これは神のわざである、という天使のお告げを夢の中ではっきりと、確かに聞きました。

  • 「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」

  • 私達は一般的にこの言葉をどう理解するでしょうか。イエス・キリストの母であるマリアは、ヨセフと結ばれるまえに妊娠をし、聖霊によって男の子を宿ったのです。理解できる事柄ではありません。信じる事柄です。男の子の名前をイエスと名づけなさい、こう告げられました。そしてその子は、民を罪から救うことになる、といいます。

  • 私達は、さまざまな罪にまみれ、心が病み、罪に陥っていることすら分からずに生きています。罪というのは、そのようなものです。しかし、イエス・キリストによって、罪が救われる、というのです。私達はそのことによって、新たな喜びが与えられます。罪の赦しです。この主イエス・キリストは、いつでも私達のそばにいてくださいます。

  • 共にいてくださるのです。共にいて、私達ひとりひとりをすべて愛し、助けてくださるからです。このお方は、神様からのプレゼントなのです。

  • 今一度聖書を見てみますとこう書かれています。「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」 この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」
    インマヌエル、神様が私達と共におられる、と呼ばれるそのお方が、今、マリアという母親のうちに宿った、この天使の知らせを私達は信じるものになりたいと思います。

  • 「クリスマス人形のねがい」、という絵本があります。「人形の家」という絵本を書いた『おもちゃ文学』の巨匠・ゴッデンという作家が描く、人形と孤児の出会いと願いがつまった物語です。具体的には、クリスマス人形のホリー(ヒイラギ)を主人公に、もうひとりの主人公、孤児の女の子アイビー(ツタ)との出会いです。

  • おもちゃはおもちゃ屋さんのなかではまだおもちゃではなくて、誰かの家に行ってはじめて、おもちゃとして生きることができる。だから、クリスマスのおもちゃたちは不安とたたかっている、というのです。クリスマス人形のホリーは、出会いによって願いが叶います。クリスマスの奇蹟の物語です。私達はクリスマスの奇蹟を経験します。救い主の誕生によるキリストとの出会いです。

  • 美しく、きらびやかなものではないけれど、温かく、純朴なのが、聖書に記される、本当の、真実のクリスマスです。私達の心が主に向かっているならば、かならず、主イエス・キリストが神の子として、私達と共にいてくださるのです。

  • ここに集うおひとりおひとりにも、この年、本当のクリスマスが訪れます。そのときには、目に移るあらゆる光よりも、どのようなキャンドルライトよりもまばゆい光が、たった一筋の、光り輝く本物の光りが、心のうちに照らされて、輝き出すことでしょう。私達と共にいてくださるお方によって。そのお方は私達を、すべてのしがらみや罪や悩みから解放し、温かい光を心のうちに照らし出してくださいます。そのことこそが、本当のクリスマスなのです。









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